手書き台帳と不一致 厚労相

手書き台帳と不一致 厚労相 年金記録3000件の一部
6月8日8時1分配信 産経新聞


 柳沢伯夫厚生労働相は7日の参院厚生労働委員会で、マイクロフィルム化された国民年金の手書き台帳の記録のうち3000件を抽出し、社会保険庁のコンピューターの記録と照合するサンプル調査の結果、内容が一致していない記録が数件あったことを明らかにした。入力ミスが原因とみられる。基礎年金番号に未統合の年金記録5000万件にも、こうしたミスが相当数含まれる可能性がさらに高くなった。

 サンプル調査は、国民年金の手書き台帳のうち加入履歴が複雑な「特殊台帳」から3000件を抜き出し、コンピューターの記録と照合。週明けにも結果が公表される。

 柳沢氏は「マイクロフィルムだけに記録があって、オンライン(コンピューター)の記録にはない例は皆無だった」と入力漏れはなかったと強調。ただ、「現在、情報の内容が一部一致していない数件を精査している」とも述べ、食い違いがあったことは認めた。

 コンピューターの記録と手書き台帳の全記録との照合作業の完了時期については、新組織「日本年金機構」が発足する予定の平成22年1月までに終えることは困難であることも認めた。記録ミスによる支給漏れ分が時効の撤廃によってまとめて満額支給される場合には、支払いが遅れた期間の利息は含めず額面のみが支給されるとの見解を示した。